SiesteCat 7th VocalAlbum STORY

孤児たちの集まる、とある養護施設。

沢山の子供たちを育てるこの施設には、ある決まり事がありました。

それは、「かみさまのおつげ」を必ず守ること。

かみさまはひとりひとりを見守って下さっているので、

ひとりひとり別々のおつげが与えられているのです。

その「おつげ」には、毎日するべきことが書かれています。

「おつげ」をきちんと守れば、きっと引き取って下さる里親が現れて幸せになれる、という教えのもと、子供たちは毎日を過ごしていました。



そんな風に「おつげ」通りに毎日を過ごす子供たちの中に、

ある双子のおとこのこがいました。

今日は「おつげ」によると、二人でうまれてはじめての遊園地に行く日。

けれども些細なことで二人は喧嘩をしてしまい、

お兄ちゃんは「おつげ」を破って遊園地から逃げ出してしまいます。

弟はお兄ちゃんの居ない初めての一人での行動に戸惑いながらも、

逃げ出したお兄ちゃんを見つけ出し、二人は無事に仲直り。

施設に戻るとちょっぴり先生に叱られた後、

今日の遊園地の真相が二人に告げられます。

「二人には里親が見つかったから、今日が施設で最後の日だったのよ。」

その言葉に二人は大いに喜んで、ゆっくり眠りにつきます。



—翌朝

彼らは他の子供たちに見守られながら、里親のもとへと旅立っていきました。

家の事情で塔に閉じ込められている少女・ノエルは、世界を旅することを夢にみていた。

男子として育てられている彼女だったが、

ある日時計師の息子・ヴィルジールに出会い、恋をする。

１６歳の誕生日、ノエルは事情が解消されて女の子として生きることになる。

けれど父親に結婚を決められてしまっていた。

ヴィルジール以外と結婚するくらいならと、ノエルは修道院に入ることを決意。

それを知った婚約者は怒り、ノエルを刺し殺してしまう。

雪の降る寒い日の朝、真っ白な地面に散ったのは血液と、「旅がしてみたい」という夢だった。

ノエルの夢を知っていたヴィルジールは、代わりにと、旅にでることにする。

いつの日か、ノエルに再び会えるような気がしたから……。

これは長いながい旅のお話。

広い砂漠の真ん中、オアシスを中心としたカレイラという街に少年ルルクレットは暮らしていました。

彼はある日、家の地下室で掃除をしていると不思議なランプを見つけます。

ランプを持ち出し幼馴染のシェルランカに見せると、

突然ランプが光りだしルルクレットは吸い込まれてしまいます。

ランプから出ることは出来るものの身体を切り離せなく困ります。



街の占い師タランチュラが、ランプの秘密を２人にこう伝えました。

「カレイラの祀り神が作ったと言われている３つの秘宝のうちの１つがそのランプだ。

ランプに触れたものは、ランプの魔人がいなければ吸い込まれて魔人になる。

魔人を解放する方法は、１度きりのランプの力で街の人々全員を幸せにする事だ。」



ルルクレットとシェルランカは、どうしたら人々が幸せになれるのだろうと悩みます。

するとそこに街の少年フィニフィニがやってきます。

「いつか街を出て外の世界に行きたい、外の世界で降る雪が見たい。」と話しました。



２人は頷き魔法を使います。

すると、晴れた空には大粒のふわふわした雪が舞います。

街の人達は老若男女問わず喜びました。

雪は一瞬でしたが街の人々の心を幸せにしたのです。

ランプの魔法が解けたルルクレットは無事に元の身体に戻ります。

しかし何故かランプの魔法が解けた後もルルクレットには雪を降らせる力が残っていました。

せっかく得たその力を使い、これからは街を盛り上げていこうとします。



タランチュラはランプを抱き、そっと呟きます。

「これで私の役目も終わり、この閉鎖された街も少しは外界との交流を通じて豊かになることでしょう…

街を少しでも発展させたくて魔法具を作ったけれど…やっと、その役目を果たせたわ…。」

タランチュラは魔法具を作った街の祀り神だったのです。



こうしてカレイラは雪の降る不思議な砂漠の街として有名になり、街も発展し人々は幸せに暮らすのでした。

「やあ、アリス！　久しぶりだね。元気にしてた？」

「……え、誰？」

謎の白髪の男に連れられて、迷い込んだ森の中。

アリスは一匹のネコに出会いました。

ネコはアリスのことをよく知っている素振りを見せますが

アリスにはまったく覚えがありません。

「……アリス。覚えてないなら覚えてないって、言ってくれてもいいんだよ？」

「だから最初から初対面だって言ってるじゃない！」



ネコによると、ここは『アリス』の夢の世界、「ワンダーランド」。

１年前までは「３つの国」が存在していたけれど

アリスがいない間にそのうちのひとつが消滅したそうです。

不思議なことに、その国が消滅した理由を誰も覚えておらず

住人達が思い出すにはアリスの持つ「鍵」が必要なんだとか。

当然、身に覚えがなさすぎるアリス。

人違いであることを訴えますが

アリスは記憶喪失なんだと言いはって、ネコはまるで聞く耳を持ちません。



「彼がキミを連れてきたなら間違いなくキミはアリスだよ。大丈夫、記憶が戻るようにオレも協力するからさ」

「うえぇ……？」



こうしてアリスの無い記憶を取り戻す冒険が始まります。

「つくよみ」

山々に囲まれたその町は、古くから

ひとと、ひとならざるものが共存している。

ひとの目には視えないそれらは、いわゆる「あやかし」であり

今日もどこかで、静かに暮らしているのだという。



つくよみにある尾無し狐の住処。

表の蔵から出てきた千早の手には、一冊の本が握られていた。

すっかり埃を被ったそれを払い、ページをパラパラとめくっていく。

その横から、使い狐たちがぴょこぴょこと覗きこんでいた。

「なんだろうな、これ。西洋の……魔女の話？」

「まじょ？」「まじょって？」



「おにさんこちら、てのなるほうへ！」

そのとき、万華鏡を持った不思議な少年が蔵から飛び出してきた。

少年は千早と狐たちの間を通り、住居の中へと駆けていく。

呆然としていた１人と２匹。

ハッと我に返り、慌てて少年のあとを追った。

おともだちのいない少女<ロッテ>はある日、お話をする人形<ルック>と出会いました。
その日から毎日が楽しくて、ロッテの世界はキラキラと輝き始めました。
初めてのおともだちができたのです！

しかし、町のいじめっ子はロッテにおともだちができた事を笑いました。

悲しい気持ちはどんどん膨らんでいきます。
人形が本当のおともだちになれるはずがないのです——



<<おともだちってどんなもの？>>

それはきっと、形では表せないほど素敵な宝物なのでしょう。

レースの海にぴんくのお空、リボンのお洋服と甘いケーキ。

ここは可愛いものだけで作られた世界。可愛くないものはひとつもない。

リリィは世界でいちばん可愛い少女と褒めそやされ有頂天だった。

けれどある日怪我で片足を失くし可愛くなくなってしまう。

リボンで固められて連れていかれた先は、可愛くないものを押し込めた地下の廃墟だった。

廃墟には罪人たちがあふれていて、リリィはその１人に心を寄せるようになる。

罪人もまた砂糖のように可愛らしいリリィに惹かれ、可愛くなりたいと嘆く彼女にリボンの付いた義足を贈った。

義足を付けたことで再び可愛くなったリリィは、地上へ戻されそうになる。

しかしリリィは罪人と離れたくない気持ちに気付き、可愛くなくなろうと自身を傷つける。

「可愛くなくてもいい。あなたと一緒にいたい」。

罪と塵にまみれた廃墟で、その声だけが甘く響くのだった。

あるところに、お城に閉じ込められた一人のお姫様がいました。

お姫様の背中には綺麗な蝶の羽がはえています。

ずっと外の世界を夢見るお姫様の前に、ある日黒ずくめの「からす」と名乗る少年が現れます。

からすに連れられ、お城を飛び出したお姫様はからすから「アゲハ」という名前をもらいます。

からすはこの世界は作られた偽りの世界だと言います。

最初、からすは不思議な少年、雨桜のためにアゲハを連れ出したのですが、

次第に惹かれて行き、アゲハを「世界の窓」から真実の世界へときはなつことを決心します。

こうして、誰とも肌で触れ合おうしない、孤独なからすと、美しい黒蝶のお姫様の、

儚く、切ない世界の終わりへの旅がはじまるのでした。